革が食べられるって本当?調べてわかったビックリな事実とは

コラム
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革の情報をネットで検索していたら、驚きの文章が目に飛び込んできました。

「革製品は食べられる」

私は今まで、革製品を食べようと思ったことは一度もありません。

そもそもなぜ、食べられるかが話題になったんでしょうか。

いつも手にしているキーケースや財布が食べ物になるなんて、想像できないですよね。

パソコン横に置いている革の手帳を見つめつつ、しばし茫然。

我に返った私は、本当に革は食べることができるのか調べてみることにしました。

さて、真実はいかに。

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革が食べられるというのは本当?

革が食べられるかどうかについて、最初に結論を言っておきます。

ズバリ、革は食べられます。

でも、全ての革製品が食べられるわけじゃないのでご注意を。

それについて、これから詳しく話していきますね。

タンニンなめしは食べられる

ここでは革を食べる必要があるのかという話は置いておいて、食べても大丈夫か、ということだけに焦点を置いて話していきます。

成分などの理論上では、タンニンなめし(植物タンニンなめしとも言う)の革であれば、食べても大丈夫そうですよ。

それはタンニンなめしで使われる原料が植物由来であることから、身体に悪影響を及ぼしにくいと言えるから。

しかしこの考え方には、お手入れで塗られるクリームなどの存在は一切含まれていません。

通常販売されているタンニンなめしの革は、状態を保つために何かしらの加工や油分が加えられているものが多いです。

だからタンニンなめしの製品だからと言って、買ってきた革が全ていけるわけではないことを頭に入れておいて下さい。

ちなみにタンニンなめしの革の中でも、余分な成分がより少ないものはこちら。

  • なめしの工程で殆ど加工がなされない「素上げ(すあげ)」の革
  • タンニンなめし後に余計な加工がない「ヌメ革」

しかしこれらの種類として売られていたとしても、実際になめしでどんな原料を使っているかは工場によっても違います。

工場の加工現場を実際に見ていた訳じゃないなら、完全に安全だとは言い切れないのでご注意を。

まぁこれを読んで食べることを検討する人はほぼいないと思いますが、理論的には素上げかヌメ革なら口にできる可能性が高いという結論でした。

クロムなめしと混合なめしは絶対ダメ

タンニンなめし以外の革としては「クロムなめし」と「混合なめし」という革の種類があります。

これらの革は絶対に体内に入れてはいけません!

なめしの加工時に使われている『クロム』という原料が、食べると身体にとても危険な影響を及ぼすからです。

革製品の中でもクロムなめしと混合なめしの製品はとても多く、家具にはよくクロムなめしの革が使われています。

間違っても、自宅のソファを食べてみようとは思わないように。

実は色んな所で革が食べられていた

「革を食べる」というこの降って湧いたような話、出てきたきっかけが実はいくつかあったことも判明。

それは、映画やテレビなどで革を食べるシーンがあったというものなんです。

どんな感じで登場していたのか、有名なものを3つご紹介していきますね。

チャップリンが映画で靴をモグモグ?

昔にさかのぼること1925年、チャップリンが出演している「黄金狂時代」という映画で、既に革は食べられていました。

飢えたチャップリンが革靴を食べるシーンがあると聞いて、早速動画をチェック!

自分が履いていた革靴を大きな鍋で茹で、フォークでつついて柔らかさを確認したら大皿に盛り、ゆで汁をかけて・・・。

と、普段の料理をしているかのような運びで進んでいく、靴の調理場面は破壊力抜群でした。

そして靴を食べている場面では、モグモグと躊躇なしに革を食べているチャップリン。

す、すごい。

チャップリン

これは実は革じゃないよ~。

まる子
まる子

えっ!騙された!!

そうです、これは海藻で出来た「ニセモノの革」だったんです。

靴の他のパーツも飴細工や、イカスミのスパゲッティなど全て食べられるものできちんと作られていたそう。

本物そっくりに出来ていたため、多くの人が「革靴を食べたシーンだ」と思い込んだようですね。

「ナイトスクープ」でパティシエが調理

真面目なものから驚くような新鮮な発想の疑問まで、常に全力を尽くして解決に挑んでいる人気テレビ番組の「探偵!ナイトスクープ」。

有名な番組なので、知っている人も多いはず。

この番組の中で1995年に放送されたコーナーの中に、『革靴を食べたい!!林先生料理シリーズ』というものがあったんです。

今度こそ本物か?内容を早速チェック。

これは、先程紹介したチャップリンの映画を見たことがある依頼者が思い続けてきた「自分も実際に靴を食べてみたい」という希望を叶える、という内容でした。

食べられるタンニンなめしの革で作られた革靴はそう簡単には見つからず、やっとの思いで見つけ出したのが、なんとフェラガモの靴。

まる子
まる子

高級ブランド靴を実験に使うとは、なんて太っ腹な。

担当するパティシエの林先生により、なるべく美味しく食べられるようにと表面をやすって、ショウガやネギ、焼酎を加えて蒸されていく靴。

その後パーツをばらして圧力鍋に入れ、柔らかい革へと調理されていきます。

この革をベースに料理を作ったのですが、番組の中では「靴の味がする」と、なんともいえない表現だったそうな。

細く切った靴を揚げて、カリカリにしたサラダ?だけはウケが良かったとのこと。

しかし最終的な結論としては「靴は食べるものではない」ということで、落ちついたそうです(笑)

「鋼の錬金術師」でも主人公がパクパク

映画やテレビだけでなく、なんと漫画の世界でも革を食べるシーンがありましたよ。

ハガレンと略されて呼ばれることも多い、人気漫画の「鋼の錬金術師」の中に出てきていました。

漫画のあらすじは省略するとして、革を食べたのは主人公とその仲間。

空腹に耐えかねた主人公が、「昔の映画で靴を食べているのを見たことがある」という旨のセリフを発し、自分の靴を煮込んで食べるという内容でした。

これはまさに、チャップリンの映画を意識した内容ですよね。

原作者のちょっとしたユーモアも込められたシーンでした。

まる子
まる子

革を食べた例として、有名だったのはこの3つでした。

革は本当に食べられるのかという話の発端は、これらのシーンを見て革を食べるという内容に衝撃を受けた人が疑問を抱いたことによるものだったみたいです。

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実際に革を食べた人の感想を発見

ナイトスクープでは革の味と表現されていましたが、もっと具体的な革の味や食感について、誰か知っている人はいないかとネット上を調べてみました。

すると、居ましたよ~。

タンニンなめし革の、一番柔らかいお腹部分の革を調理して食べてみたという方を発見。

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動物の種類は言われていませんでしたが、牛でしょうかね・・・。

革を小さめに切り分け、茹でてタンニンを抜いて(渋みの味を取る)、かじって食べたそう。

その方によると、

  • 見た目は濃い茶色でビーフジャーキーに見えなくもない
  • 食感は厚みのあるグミみたいで、噛み切れない
  • 味は、なめした際につけられた「古い木のような革の風味」が噛むほどに出てきて、美味しくない

という感想でした。

さらに美味しさを追求して『オリーブオイル&塩コショウ』や『焼き肉のタレ』で炒めてもみたそうですが、最初は美味しかったものの、噛んでいるうちにやはり革の風味が戻ってきてマズイ・・・とのこと。

ちなみにどの調理法でも、革の固さは変化なく固かったそうです。

最後は「革は食べ物ではない」という結論で締めくくられていました。

やはり、革を美味しく食べるのは難しいようです(わかってはいましたが)。

食べられる物から革を作って食べた人も

先ほどの方を探している間に、もう1人気になる方も発見。

革が食べられる、から逆の発想?をした方です。

「食べられるものから革を作って、それを食べれば『革を食べている』ことになる」

という考えのもと、食べられるもので革として成立しそうな「ウツボ」で革を作り、食べてみたという内容でした。

方法は、ウツボの皮をそれぞれ“タンニン”と“お茶”でなめして干し、油分をオリーブオイルで補充して乾燥させて、2種類の革を仕上げるというもの。

完成した革はというと

  • タンニンなめしをしたウツボ皮⇒割れやすいパキパキの状態で、すぐ砕ける(=失敗)
  • お茶でなめしたウツボ皮⇒柔らかく厚みがあり、ヘビやワニ革に似ている

という出来になっていました。

そして成功したほうの、お茶でなめした革はもちろん食べていらっしゃいました。

食べ方は、火で軽くあぶってかじるというシンプルな方法。

気になる感想はというと、

  • 固すぎて噛み切れない
  • 脂がにじみ出てきて、焼き魚のような香り

とのこと。

噛み切れなかったため、先程の食レポのように噛むほどに味が出てくるという感想はありませんでしたが、とにかく噛み切れないなら食べられませんよね。

ということで、このチャレンジでも「美味しく革を食べる」ことは叶いませんでした。

革が食べられるかという論争は、密かに続いていきそうです。

まとめ

今回は革が食べられるという話が本当か、ということをまとめました。

理論上では食べられるものもあります。

また、色んなメディアの中で食べられているシーンがあったため、革を本当に食べることができるんじゃないかと思った人も多かったようですね。

しかし実際のところは、美味しく食べるというのは難しいということがわかりました。

それにしても、チャレンジしている皆さんのことは本当に尊敬します。

近い将来、革を上手に調理できる人が出てくるかも知れないと、心の奥で期待しているのは秘密です。

でもひとまず今の所は、『革は食べ物としては考えないように』という結論となりました。

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